Do it yourself

最近季節の変わり目を感じる。

天に向かって伸びていた青々しい稲は穂先が色づいて、ロードバイクを走らせる自分の傍で豊穣の季節を予感させる。

台風が訪れたり、カゲロウが大量発生したり、河原では金木犀が香りを漂わせてしていて、いよいよ秋が深まっていくのだと少し感傷的になったりもする。

 

最近、普通に生活しているだけでとても部屋が荒れる。

服とか脱ぎっぱなしのまま放置したり、本とかを適当に散乱させたり、鼻炎でゴミ箱がいっぱいになったりして部屋が疲弊していく。極め付けには、食器が見事なバランスで排水の悪いシンクに積み上げられていて、週の最後の方は食事の食器選びから大変だ。

そう言ったものを次の週のためにその週末に一挙に片付けるのだが、このサイクルを続けていくのはあまりにも不毛に感じたで、この3連休を使って少し改善していこうと思った。

 

服の問題に取り掛かった。寝巻きとかパーカーとかが適当に投げられていると見栄えも悪いので、置き場所を作ることにした。

最初にカゴでも置こうかと思ったが、結局カゴをどこに置くかというところと、もしカゴを床に置くのではカゴが邪魔になってあまり解決にならないなと思い頭の中で却下した。色々考えたが衣類をハンガーでかける方が畳む必要がないため楽だと思い、ハンガーラックを用意しようという結論になった。しかし、ハンガーラックを買うとなると、ネットでも受け取りが面倒で高いし、そもそも1m幅とかのものは置く場所が難しかった。

 

ということで、自分で作ることにした。今回はカラーボックスを元に家にあるもので適当に作れた。しかし、高さが90cm弱しかないので、服をかけるには低くて少し問題を抱えたハンガーラックになってしまった。とはいえど、新たにホームセンターで木材を買う元気はないので、DIYした自作ハンガーラックを愛で続けたいと思う。

 

こんなDIYをする気になったのも、先日母校の文化祭がテレビで取り上げられたらしく、TwitterのTLが少し賑わったからである。母校の文化祭は各クラスが木材切ったり、ネジで組み立てたり、ペンキで色をつけたりして大掛かりな装飾や展示を作るもので、自分のDIYのルーツは完全にそこにある。

放送を受けて、やはり当時を懐かしんであの時は頑張ったと思う人が多いらしく、そう言った旨のツイートを見ては首を全力で縦に振るぐらいには共感してしまうが、そんな懐古ツイートを呟く彼らは今何をしているのだろうか。

あの高校は本当にエネルギッシュな学校だったが、そこでピークを迎えてOB・OGとしていつまでも高校に縋り付いていているのはみっともない。得たエネルギーはまた別の場所で生かされる方がきっと楽しいだろうなと思う。あの環境の中で過ごした同期や先輩、後輩が今どこで何に対して頑張っているのか、そんなことをいつか聞いてみたい。

 

深まる秋に。

フジファブリック「赤黄色の金木犀